小規模多機能型居宅介護で働く介護職員は、小規模多機能型居宅介護が持つデイサービス・訪問介護・ショートステイの3つの機能に合わせた幅広い仕事を担うことになります。
小規模多機能型居宅介護の特徴には、特定の利用者に対して地域に密着したスタッフがさまざまな介護サービスを施すという点があり、同一の担当スタッフが複数の介護サービスを行います。利用者はどのサービスを選択しても同じスタッフが担当してくれるので、安心して介護を任せられるでしょう。したがって、小規模多機能型居宅介護に携わる介護スタッフは、デイサービス・訪問介護・ショートステイに至るまであらゆる介護サービスの知識を身につけることが大切です。
小規模多機能型居宅介護のサービス利用者は中重度の要介護者のため、介護スタッフは身体介護の技術を習得しておくことが必要です。特に、訪問介護の際は、介護職員1人で排泄や移動を介助することが多く、体幹や内筋を上手く使って効率的に身体介護を施せる高度の介護スキルを求められるでしょう。また、ショートステイでは、体調の思わしくない高齢者のケアを行うことになり、夜中に容態が急変することがあります。こうした場合、看護師などの医療従事者がいなくても応急処置を施せる医療知識も備えなければなりません。幅広いスキルを身につけることはもちろんですが、なかでも最も大切なことは、利用者と信頼関係を築けるよう上手くコミュニケーションを取るスキルを身につけることです。利用者との信頼関係があれば、小規模多機能型居宅介護特有の幅広いサービスのなかで問題が生じても上手く介護を提供できるでしょう。